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書籍詳細情報

気持ちはシフォンに入らずとも

三月十二日の夜。琴葉葵は一人、台所で頭を抱えていた――

三月十二日、夜。琴葉葵は一人、台所で頭を抱えていた。目の前には不格好に膨らんだシフォンケーキ。頭頂部は傾き、断面を見れば一部明らかにみちっと詰まっている場所が感じられる。タイムリミットは明日までだが、どんなに頑張っても上手くいかない。「こんなはずじゃなかったのに……」私はそう思いながら、一ヶ月前、バレンタインデーの日の出来事を思い返していた。


ゆかあお(琴葉葵・結月ゆかり)短編小説本

2025/02/09(よかろいど福岡)初版第一刷発行
A5 24P イベント頒布価格 800 円